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新しいパソコンが欲しいけどどんなPCを買ったらいいのかわからない、パソコンの用語が難しくて何言っているのかわからない、そういう人は多いと思います。私も初めてパソコンを購入した際には右も左もわからず、友人を質問攻めしたことがあります。
ですが、何もわからない状態でお店に行ってしまうとカモとみなされ、粗大ゴミみたいなパソコンを購入させられるケースもあります。知識は大事ですね。
そこで元パソコン屋店員である私がパソコンの選び方や用語別に大事な事などについて、簡単にではありますが解説していこうと思います。
パソコン購入の際に大事な用語の解説
パソコンで利用される用語には横文字が多く難しいものもありますが、なるべくわかりやすく解説してみます。
CPU
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パソコンの頭脳とも言える、処理速度を決める最も重要なパーツの一つです。Central Processing Unit の略で日本語では「中央演算処理装置」などということもあります。パソコンのみならず、スマートフォンやタブレットなどのコンピュータには必ず搭載されており、このパーツ次第でパソコンの処理速度の殆どが決まります。
現在一般的に販売されているパソコンの CPU には大きく分けて Intel 製と AMD 製の二種類があり、その中にも価格の安くて性能の低いものや、処理速度は早いが高額なものなど、様々なモデルが販売されています。Intel と AMD はどちらを選んでも問題はありませんが、購入する CPU の型番は要チェック です。
特に重要なのが、CPU の世代です。世代が新しいものほど、より高性能になります。例えば Intel ですと古い Core i7 より新しい Core i3 のほうが性能が良い事もありますので、特に重要な指針となっています。
2023年現在で新品のパソコンを選ぶのであれば、概ね以下のものを購入しておけば一般的な用途では問題ありません。
メーカー | 製品名 |
---|---|
Intel | 第12世代↑ Core i3,i5,i7 |
AMD | 第4世代↑ Ryzen 3,5,7 |
反対に選んではいけない CPU には Celeron や Pentium, Athron, Snapdragon などがあります。これらの表記があるものは止めておきましょう。
メモリー
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パソコンが一度に処理できる情報の多さを決めるパーツです。Windows や Mac などパソコンでは複数のアプリを同時に実行することが多いと思いますが、メモリの量が多ければ多いほど、同時に実行できるアプリの数を増やすことができます。逆にメモリが少ない場合は、複数のアプリを実行した際に動作が遅くなりがちです。
2023年現在であれば、一般的な用途(Webやオフィス等)であれば最低 8GB あれば問題ありません。できれば 16GB あると余裕をもって利用できます。特に3Dゲームや画像・動画編集、プログラミングなどパソコンで様々な作業をするのであれば最低 16GB は欲しいところです。
ストレージ(HDD・SSD)
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Windows や macOS などのOSやゲームなどのアプリ・ダウンロードした動画や写真など保存するのに必要となるのがストレージです。現在一般的に利用されるのは HDD と SSD の二種類あります。
簡単に解説すると、HDD は動作が遅くけど大容量、SSD は動作は高速ですが容量は少なめ、といった違いがあります。
SSD は HDD と比べて高価だったこともあり、現在でも格安 PC には HDD のみを搭載していることもありますが、HDD のみ搭載しているパソコンは絶対に買ってはいけません。現代の基準では遅すぎて利用しているとストレスが溜まります。
なので、今パソコンを購入するのであれば絶対に SSD 搭載マシンを購入しましょう。容量は256GBあれば十分ですが、ゲームや動画編集するのであれば 512GB などの大容量のものを選択すると良いでしょう。
また、ストレージは外付け SSD などで増やすこともできますので、そこまで気にするところでも無いというのも大きなポイントです。
グラフィックボード(GPU)
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パソコンをディスプレイに映す際に必要となるパーツがグラフィックボードもしくはGPUです。一部モデルでは CPU に GPU の機能が搭載されているものもあるため、ややこしいパーツの一つです。
YouTube や Netflix の動画を見たりオフィス製品を利用するなどの用途であれば、内臓 GPU のみで問題ありませんが、最新の3Dゲームを遊ぶのであれば独立したグラフィックボード(ディスクリートGPUともいう)を搭載したパソコンを買いましょう。
最近の3Dゲームをするのであれば最低でも RTX3050 クラス、できれば RTX3060 以上が欲しいところです。
ディスプレイ
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パソコンの画面を実際に映す際に必要となるものです。ノートパソコンであれば本体にくっついていますが、デスクトップPCであればパソコン本体とは独立しており、パソコンの買い方によってはこちらも一緒に購入する必要があります。
ディスプレイの大きさは生活スタイルなどによって変化するため一概にどの大きさが良いとは言えませんが、解像度についてはなるべく大きなものを選びましょう。
最低でもフルHD(1920*1080)のものを選択しましょう。今ノートパソコンやディスプレイを購入すると、真っ当なモデルであればほぼこれ以上の解像度になっているはずです。
またゲーム用途であれば高リフレッシュレート対応のものを選びましょう。120Hz 以上のものを購入すると画面がかなり滑らかに見えるので動きの激しいゲームでも快適です。
絶対に買ってはいけないパソコンを紹介!
パソコンの性能について解説したところで、ついでに絶対に買ってはいけないパソコンの特徴を紹介します。
CPU が Celeron/Pentium/Atom/Athron
パソコンの性能欄にあるCPUがCeleron, Pentium, Atom, Athronと書かれていたら絶対に止めましょう。これらは低価格向けのCPUで安い反面非常に性能が低いです。Intel = Pentium というのも過去の話です、Core iシリーズもしくはRyzenを選びましょう。
メモリが4GB以下
低価格PCの中にはメモリが4GBしか搭載されていないものもありますが、少なすぎてすぐ動作が重くなります。最低でも8GB以上、できれば16GB以上を選びましょう。
ストレージがHDD
今時HDDのみでは遅すぎて使い物になりません、必ずSSD搭載のものを選びましょう。
解像度がフルHD(1920*1080)未満
低価格パソコンで良くあるのが、画面が15インチで大きいなと思ったら解像度が1366x768しかないモデル。はっきり言ってゴミです。画面サイズが大きくても解像度が小さければ意味がありません。最低でもフルHD(1920x1080)を選びましょう。
パソコンの用途別に必要なスペックを解説
それではパソコンの利用用途別にどのようなものを購入すれば良いのかを解説していきます。
YouTubeやNetflix等動画再生、オフィス製品、ブログ執筆、などの軽い作業ができれば良い人向け
YouTubeやNetflixといった動画サイトをみたり、ExcelやWordなどのオフィス製品が利用できればよく、3Dゲームや動画編集などはしない、文章が書ければ良い、というのであれば要求する性能はとても低く、その分安くなります。
具体的には以下のようなスペックであれば問題なく利用できるはずです。
CPU | 第12世代 Core i3, 第四世代 Ryzen 3 以上 |
---|---|
メモリ | 8GB 以上 |
ストレージ | SSD 128GB 以上 |
グラフィック | CPU 内蔵のもので十分 |
ディスプレイ | 好みで |
このぐらいの性能であればノートパソコンを選んでも安価ですし、持ち運びや省スペースなど便利な点が多いです。例えば、以下のようなノートパソコンがオススメです。
3D ゲームを楽しむためのパソコンが欲しい
フォートナイトやApex Legends、ファイナルファンタジーといった最近の3Dゲームを楽しむのであれば、パソコンの性能もそれなりに良いものが要求されます。CPUとグラフィックボードはグレードの高いものを、メモリとストレージは容量の大きなものを選ぶべきです。
ゲームによって必要な性能は変わってきますが、パソコンを一度買ってしまうと4−5年ぐらいは使い続けることを考えると、将来出てくるハイスペックゲームを遊ぶために余裕を持ったスペックにしたり、拡張性の高いデスクトップPCを購入すると後々楽になります。
CPU | 第12世代 Core i7, 第4世代 Ryzen 7 以上 |
---|---|
メモリ | 16GB 以上 |
ストレージ | SSD 1TB 以上 |
グラフィック | RTX 3060 以上 |
ディスプレイ | 144Hz 対応のもの |
予算次第では更にグラフィックボードのグレードを上げたり、ストレージ容量を増やしても良いかもしれませんね。最近のゲームは一つで 50GB 以上、物によっては 100GB ぐらい利用するものもあります。
ただ、このあたりはデスクトップ PC を購入するのであれば、後から増設や変更する事も可能です。その場合は初期費用は抑える事ができます。
例えば、以下のようなパソコンがオススメです。
動画編集したい
YouTube などへ動画をアップロードしたい、そのために動画を編集したい、というのであれば高性能 PC を用意すると快適に編集したりエンコードを行うことができます。CPUとメモリにはお金をかけましょう。それから最近の動画編集ソフトはGPUを利用して速度を向上させることもできますので、独立したグラフィックボードも搭載していると良いですね。また、大量の動画を保存するためにストレージも大容量のものを用意すると良いでしょう。
ディスプレイも広ければ作業効率が上がりますので、大きなものやデュアルディスプレイの検討をお勧めします。
CPU | 第12世代 Core i7, 第4世代 Ryzen 7 以上 |
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メモリ | 32GB 以上 |
ストレージ | SSD + HDD で 2TB 以上 |
グラフィック | GTX 1650 以上 |
ディスプレイ | 好みで、できれば大きなものを |
プログラミングしたい
最近はITエンジニアになりたい人が多いらしく、プログラミングスクールが繁盛していますね。私も一応システムエンジニアをやっていますので、プログラマー向けのパソコンについても解説してみましょう。
プログラミングする対象にもよりますが、基本的には普通のパソコンでもプログラミング可能です。ですが、作業効率をあげるのであれば、CPU とメモリの性能を重視します。
CPU が早ければコンパイルの時間も短縮できますし、メモリが多ければ大量のアプリケーションを同時に実行しても快適です。特に最近の開発では仮想環境をいくつも立ち上げる事が多いので、メモリの量は大事です。
グラフィックボードに関しては最近流行りの機械学習を行わないのであれば CPU 内臓のもので十分ですね。その代わりディスプレイは大きなものもしくは複数用意しておくと作業効率アップです。
CPU | 第12世代 Core i5, 第4世代 Ryzen 5 以上 |
---|---|
メモリ | 16GB 以上 |
ストレージ | SSD 256GB 以上 |
グラフィック | 機械学習などしなければCPU内蔵でOK |
ディスプレイ | 好みで、できれば大きなものを |
まとめ
このようにパソコンを購入する際にはその目的によって最適なものを選んだり、用語を正しく理解する必要があります。初めは難しいので信頼できる人などと相談した方が良いと思いますが、自分で理解できるようになると、より最適なものを選べるようになりますし、さらに他の人から頼られたりする事もあります。
これを機に勉強してみるのも良いかもしれませんね。